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『クリスマスキャロル』/ チャールズ・ディケンズ

クリスマス・キャロル ディケンズ

この作品の魅力はとにかく、主人公であるスクルージに尽きる。

他人に対して、非常に残酷、冷徹、最低最悪ながらも、実は繊細で臆病で、簡単に心がわりもしてしまうという、とても憎めない、愛嬌たっぷりのキャラクター。

この作品と初めて出会ったのは、大学生の頃。

まだ海外の翻訳小説、特に古典作品を読み慣れていなくて、四苦八苦しながらも、読み進めているうちに、これめっちゃいいやんと感じて、一気に読み進めてしまった。

当時の19世紀のイギリスは産業革命、まっ盛り。

大量生産が普及し始めた頃で、どこか人と人との結びつきが希薄になっていたのではないだろうか。

だからこそ、ディケンズはそんなご時世を寂しく思いこの小説を書いたのではないかなあ、なんてことを思ったり。

このクリスマス・キャロルは、長編作家として、たくさんのロング・ロング・ストーリーを書いていたディケンズの作品の中でも、なんといって短くて、読みやすく、ファンタジーなお話なので、万人におすすめしやすいのもまたいい。

しかも、文庫はとてもやすくて、非常に嬉しいんですよね〜。

個人的には、人生にちょっと疲れたとき、ちょっとした絶望感を感じたときに読んで欲しい一冊。

ちなみに、多数の映像化もされている本作ですが、Netflixでは「スクルージ」というタイトルでオリジナルアニメもでていて、そちらも面白いので、とってもおすすめ!

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