10代のときに読んでおきたい本、あるいは、読んでおきたかった本、
ってありますよね。
例えば、小説でいえば、
『ライ麦畑でつかまえて(キャッチャー・イン・ザ・ライ)』(JDサリンジャー)
『僕は勉強ができない』(山田詠美)
『69』(村上龍)
ビジネス書でいえば、
『金持ち父さん、貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ)
あたりがパッと私の頭には思い浮かびます。
中でも、10代のうちに読んでほしいと強く思うのが、
この『深夜特急』です。
この深夜特急は、著書の沢木耕太郎さんが26歳のときにそう多くない有金を全てかき集めて、突然、バックパッカーを始めた実体験を書いた自伝です。
しかも、インドのデリーから、イギリスのロンドンまで高速バスや電車などは使わず、陸路のみで横断するというプロジェクト。
「人のためにもならず、学問の進歩に役立つわけでもなく、真実を極めることもなく、記録を作るためのものでもなく、血湧き肉躍る冒険大活劇でもなく、まるで何の意味もなく、誰にでも可能で、しかし、およそ酔狂な奴でなくてはしそうにないことをやりたかったのだ」
できるかどうかわからないことを無計画に、かつ真摯に実行していくものだから、とてつもなく面白い。
この作品は、著者が1986年に発表したもの。
そこから15年前に、旅に出たわけだから、今から、少なくとも50年は経過していることになる。
当時は、SNSもなかった時代。
本でしか、バックパッカーや、世界の一人歩きの情報なんて、なかったはずだ。
しかも、当時は、売れっ子作家になりつつあるという大事なタイミング。
だからこそ、著書は全てを捨てて旅にでた。
「アパートの部屋を整理し、机の引き出しに転がっている一円硬貨までかき集め、千五百ドルのトラベラーズ・チェックと四百ドルの現金を作ると、私は仕事のすべてを放擲して旅に出た。」
無計画こそ楽しい。人生はトラブルにまみれてこそ、楽しいのだ。
そんなことを思わせてくれる最高の本。
1巻のあとがきの対談ではこんなようなことを言っている。
「一人の旅ではなくてはならない。一人の旅だからこそ、現地を知ることできて、人に語りたい物語が生まれる。」
これはとても納得。
もちろん、観光と旅は違う。
観光は楽しいけれど、やっぱり旅も楽しい。
いやあ、世界を旅して回りたい。そのために、頑張って生きよう!
そんな勇気を与えてくれる本だ。
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